他人から見た「かんだ」について
高専同期 大川 水緒
私と神田の関係を説明するときには「似てない兄弟(兄妹でも、姉弟でもない。神田は私を女だと思っていない)」と称している。母同士の仲も良く、そして両者共にとても強い。そんな強い母に育てられた我々は、似たような育て方をされたのか、とても気が合う。高専本科2年次から同じクラスになったが、我が家が学校の目の前であり、神田が寮生だったこともあり、気付いたらよく神田は我が家にいた。鍋が余るから食べに来たり、FF13プレイのために来たり、特に意味もなく来たり、まぁいろいろである。私がバイトから帰宅すると、既にリビングで寝転がってテレビを見ているのである。これはもはや、兄弟、そして家族に他ならない。
さて、ここからは神田本人について語ろうと思う。なお、私は重度の某国民的RPGオタクのため、ゲーム内のステータスに沿って記載する。
①かんだの「ちから」
出会ってから最近まで神田はデブだった。しかし、何が契機だったか不明だが、筋トレ、ランニング、ロードバイクなどをストイックに続け、見事「標準体重」の称号を得、シルエットもかなり引き締まったのだ。仕事帰りに共に筋トレやランニングを楽しんだこともある。寿司に誘われたにも関わらず、糖質制限をする!とのことで「俺はネタを食う。お前はシャリを食え」とか言われた時には腹が立ったものである。
このストイックなトレーニング、食事制限により得られたものは、筋肉と体力と引き締まったシルエットのみではない。神田は並外れた精神力を手に入れている。もはや修行僧に近いのかもしれない。クソみたいな会社、クソみたいな業務の中でも自分を見失わず、古き悪しき伝統を打ち破りながら常に目的に向かって最大効率で攻め入る様は、尊敬に値する。
②かんだの「すばやさ」
神田は行動力がある。良い!と思ったらすぐ行動に移すことができる。神田の行動力を私が肌で感じたのは、社会人になってから再結成したチームCoccoloの立ち上げの際である。軽くCoccoloについて説明すると、高専在学中にITコンテスト参加のために結成された開発チームで、当時は昼夜問わず開発部屋に引きこもりゴリゴリ開発し賞もいくつかとっていたものの、6年前に卒業してからは年一の沖縄ダイビング、不定期開催のリアル脱出ゲームで顔を合わせる程度になっていた。だが、社会人も6年目ともなると、つまんねーな、ものづくりしてーな、という小さなモヤモヤが各人の心に生まれてくる。あれだけものづくりを毎日して、評価もされていたのに、全くものづくりとは無縁の仕事をしている人もいるのだ。そういうモヤモヤをちょろっと神田に愚痴ったところ、ものすごい速さで任意団体を設立、口座開設、slack登録、月一での開発会議の開催までこぎつけた。詳しくはこちらへどうぞ。(こっころ)みんなの抱える小さなモヤモヤをかき集め、解消の為の案を即座に形にすることができる。これはすごい、すごすぎる。そして更にすごいのが、神田はそもそも高専時代のCoccoloのメンバーではなかった点である(なんでいるんだ)。新参者でもアウェーでも、理論と目的意識を掲げ、単身突撃してくるのが神田だ。
③かんだの「たいりょく」
神田はトライアスロンをやっているらしい。前に台風で中止になって、自転車積むために借りた大きなレンタカーが浮いてしまったからもったいないからダムカードもらいにダムに行こう!と訳の分からない誘いを突然受けたことがある。ダム、面白かった。
トライアスロン向けトレーニングのおかげか、神田は体力おばけである。神田は新参者でもアウェーでも(ryなので、何故か私の会社のテニス部の活動にも参加している。その時、私の先輩(ロードバイク乗り)と神田と私の3人でひたすらラリーをしたのだが、体力おばけに囲まれた私のHPはなかなかに黄色だった。でも一般人のくせに(なんならひきこもりゲーマーのくせに)最後までこの化け物たちと同じフィールドで戦い続けた私を褒めてほしい。誰かー、褒めてー。
そんなわけで、ちょっとやそっとの仕事量では神田はへこたれないはずである。
④かんだの「かしこさ」
神田は理論的だ。感情的になったところを見たことがない。それはきっと、感情的になることによるメリットなんて無いということを、理論的に理解しているからだと思う。
そして神田は効率厨だ。私も効率厨なので非常に共感できる。無駄が嫌いで、いかに無駄を最小限にして動くかを常に考えている。
私が人生の岐路に立った時、相談する相手の1人が神田だ。愚痴や共感を求めるためではなく、相談する相手が神田だ。私も理論的に考えているつもりだが、自分自身に何か大いなる選択が迫られると、理論的に考えられなくなることがある。修行が足りない。そういう時には、神田に相談する。そして神田も困った時には、私に相談するのだと思う。持ちつ持たれつである。
⑤かんだの「かっこよさ」
最初に一言謝っておこう。かっこよいわけでは、ない。
最近痩せたため見た目は人類に近づいてきたものの、デブだった時はマレーグマに似ていた。その名残で未だに私の家族は神田のことを熊と呼ぶ。そして神田は私を猿と呼ぶ。
だがしかし、神田の見た目は老いない。何故なら出会った時から見た目は既に30代だったからだ。高専入学時、ああ、保護者かな?と思っていたのに気づいたら同じクラスで一緒に座ってて驚愕した、という同級生のコメントは伝説となっている。
最近痩せたこともあり、実年齢が見た目に追いついてきてしまっているそうだ。アイデンティティの喪失だ。残念でならない。
大学院同期 上林 昭
大学院の有志で応募したRSNPロボットコンテストにおいて、私たちのチームは最優秀賞を受賞しました。開発プロセスでは私が提案したコンセプトを神田さんが素早くPoCにすることで、デザイン思考でロボットを作ることができました。神田さんはPoCに必要な能力を持っており、何よりものづくりが好きで、熱心に取り組む姿を見た他の研究室からも多くの支援要請を受けていました。
大学院同期(PBLメンバー) 福永
1年間のPBL活動を通じて、ものづくりに関わるものにとって大きな強み”好奇心”が旺盛であると感じました。面倒な作業も積極的に取り組み、加えてバラエティに富んだ経験からくる、独自の発想力は、これからの時代になくてはならないものと感じます。チームビルディング、運営力についても、自分のパフォーマンスに固執せず、チームとしてどういう成果を出すか、どう成長するかということを捉えて活動をしているように感じました。その想いが出すぎて議論が発散してしまうこともあったが、その都度、振り返りを行い次回のミーティングに向けて改善していくといった事を積み重ねて成長したと思います。 神田くんのこれからの活躍を期待してます。
大学院先輩(ERISE研究員) 大岡 明
彼は生粋の改善思考者である。課題解決において意識/無意識問わず聞こえてくる「(どうせ)無理」「〇〇だからできない」という解決を遠ざける発言を”ただの一度も”彼から聞いたことがない。どうすれば課題解決につながるかを幅広い層とのコミュニケーションで育て、素早く実行する様はリーンスタートアップを体現する行動と言える。有言実行、機敏な修正に耐える柔軟性をもつ彼の行動は常に周りの人を惹きつけ新しいコミュニケーションを生み、彼自身をアップデートし続けている。今後、どれだけの人を喜ばせてゆくのか?活躍を期待しています。
大学院後輩(ネットワーク演習チームメンバー) 黒木
大学院で一緒にサーバ演習のグループワークを行いました。神田さんは得意な組込み(サーバ演習で使う!?)やプレゼンでは俊敏な動きをみせていました。今回初めてサーバを立てるそうで、わからない事を周りに聞いたり、チームに相談したりしながら前向きに取り組んでいました。2ヶ月半程度でしたが、私たちのグループは遊び心を取り入れた開発を行い、充実したものになりました。機会があればまた一緒にサーバを立てて何かしらの遊び心のあるサービスを作れたら、と思います。
中学校同期 Director Public Relations 貴島
彼は一言でいえば空気を読むことができる。人をよく観察し、その人がどうすれば楽しめるか深く考え、そしてその場にあった言葉をかけることができる。卒業以来の再会で緊張感が生まれなかったのは、彼が醸し出す安心感によるものだろう。 そんな彼の能力を垣間見たのは同窓会の企画だった。干支ひとまわりを経た同窓会。全国各地に散らばるかつての同級生に声をかけ、皆が懐かしさを共有する店を予約し、久しぶりの対話でぎこちなさが生まれることも織込み済みで会話の潤滑油になるような企画を用意する。ちょっとめんどくさくて人が嫌がるようなことも飄々とこなすどころか、用意周到すぎて笑ってしまった。 またいつか面白いイベントを彼と一緒に企画したい。
元同僚 F氏
業務の効率化における執念は部署内で右に出るものはいない。例えば、CAD講習の講師を務めた際には、講習内容を録画し、いつでも誰でも何度でも同じ質で講習内容が確認できるようにした。彼は「こうする事で私に質問してくる人も減る」という。なんだ、自分のためかと思った。こういった提案には保守派から反対意見が出ることが多いが、彼はデータや文献を用い、決裁者を説き伏せて効率化をゴリゴリと進めていく。UX/UIを考え、鉄道会社の常識に捉われないアプローチで効率化を図っているところは同僚としては頼もしい限りである。
元同僚 A氏
神田氏は非常にストイックである。業務でも、プライベートでも常に最短距離で突っ走り、目標を達成するタイプの人間である。保守派の多い鉄道会社では、同様な効率化を行う社員は少なく、社内ではアイデアマンとしてひと目置かれている。 しかし、私は神田氏をアイデアマンとは思わない。彼のアイデアは突飛だが、実務に寄り添っており、業務上の課題・問題点を発見・分析し、改善案を提案、システムを実装し、評価する。そのプロセスは一貫して「数値を評価する」という非常にシンプルな理念・知識に基づいている。結局のところ、彼のすごいところはそれを一人で実行し、周りを巻き込んで課題を解決してしまうところである。