シン・エヴァがついに完結しました。
新世紀エヴァンゲリオンといえば、オタク業界ではバイブルのようなものです。英語圏でThe bookといえば聖書のように、我々のThe robotはエヴァです。そんなエヴァンゲリオンがついに完結したので、一通りの感想を書き残したいと思います。
なお、ネタバレが多く含まれるので、嫌な方はそっと×ボタンで閉じてください。
エヴァンゲリヲン𝄇を観た感想
ついに神話が終わった。
「やれ、あの描写が~」だとか「ここのアスカが~」だとかそういう感想は後々するとして、1回目を見終わって思った感想はこれ。これに尽きる。神話が終わった。壮大なリソースを使った壮大なプロジェクトが終わったのだ。テロップを観てOVAから今作まで、携わったすべての皆様お疲れさまでした。といった気持ちでした。
エヴァンゲリオンの歴史
新世紀エヴァンゲリオンは1995年に放送が始まったロボットアニメです。ロボットアニメと言いつつ少年の心理描写を描き、衝撃なラストで放送を終えたいろいろな意味で話題作でした。”ロボットアニメ”と言いましたが、正式には「汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン」です。人造人間なんですね。ロボットというよりはアンドロイドといったところでしょうか。完全な機械や生物的なキメラとは違った微妙な存在。その中間的な。魂を持った機械で自発的には動かないけど、たまに暴走しちゃうみたいな。
しかし、そんな原作エヴァは予算不足と工期不足から凄惨なラストを迎えます。当時のわたしは5歳でオンタイムでは見ていませんでした。私は高専に入ってからエヴァンゲリオンを見た記憶があります。オタクとしての教養とか言いなから。あの終わり方は完全に哲学だった。
オタクの中で様々な憶測や推察が流れ、劇場版エヴァンゲリオンが1997年に公開されます。劇場版はアニメ版のラストをリメイクしてもう一つのエンドとして作成されたものだと思って、世のオタクたちはついに長年の謎が解明されると思いワクワクして劇場へ足を運んだことでしょう。アスカに恋をしたオタクたちは心をぶん殴られ劇場を去るのでした。この劇場版も多くの謎を秘めた作品だったため、オタクたちは理解できずにその難解なストーリーに溺れてしまったのです。
そして、2007年にリビルドされた新世界「シン・エヴァンゲリヲン序」が公開されました。
ついに新世紀エヴァンゲリオンの世界に終止符を打つことが発表されました。その後序、破、Qといいペースで公開していたのですが、Qから約8年を経て2021年にシン・エヴァンゲリヲン𝄇(以後、シン・エヴァと呼ぶ)が公開されました。
庵野という男
庵野監督はオタクです。特撮オタクです。
私の私見ですがオタクって大小ありますが、自己肯定感が低い。法を侵さない範囲で自身の嗜好を嗜む種類の人間だと思っています。社会性を重んじるウェイwwwとは違うのです。ときには場の空気に飲み込まれてしまい、嫌な気持ちになってしまうこともあるでしょう。そんなストレスフルな社会で生きていて自己肯定感が高まるわけがない。
オタク庵野監督はQ後に社会の批判にさらされ、心を病んでいたそうです。それでもエヴァを完結させるために戻ってきてくれたこと、周りのスタッフや友人家族が支えてくれたこと、そして、続編を待ち続け、公開されれば会場へ足繁く通うオタクたちの存在。
庵野監督におめでとう。
ガイナックスにさようなら。
そしてすべてのオタクにありがとう。
といった気持ちですね。
↓これはカラーが10周年記念で作ったアニメ(2017年制作)です。それまでのカラーの歩みが描かれています。色々あったんだなぁと思いましたね。
オタク、シン・エヴァを3回見る
オタクを語るほどオタク歴が長くないですが、私なりのオタクとしての作法があります。
「好きな作品は解るまで観ろ。」です。好きな作品は鑑賞後に布教活動を行わなければなりません。そのためには自分がこの作品の何が好きで、どんなところが面白いかを説明できると説得力があります。
私は3周しました。3周してやっと物語を理解しました。いや、理解はできていないのかもしれませんが、自分で解釈できるようにはなりました。少なくとも私の認識では。
しかし、私はシン・エヴァの何が好きでどこが面白いか上手く言語化できません。綾波もアスカも可愛く、カジ・ミサトさんはカッコよく、マリは頼もしい。シンジくんが大人になる物語だと思いましたが、彼の心理描写を直接描くのではなく、彼の周りの人の描写が多かった記憶があります。シンジくんの周りの人々の思いを見た我々視聴者の期待にシンジくんが答えてくれる。シン・シンジ登場後の最後の展開には安心感すら感じられます。
(私にとって)15年の歳月をかけてシンジくんの成長を見届けることができたから「シン・エヴァ」を楽しめたのかもしれない。アニメ版や劇場版で苦労したシンジくんが最後はハッピーエンドを迎えられた。被害は出ているし、大切な人は失ったままで状況は決してHappyではないけれど、シンジくんが現状のHappyを受け入れられる様になったことに私は喜びを感じたのかもしれません。
余談
エヴァは難解な用語やオマージュにした作品や宗教観があります。それらの知識をインプットしてからシン・エヴァを見るとより理解が深まると思います。
そのうち、エヴァ用語一覧作っていこうと思います。(やらない)
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